右隣は、

自称オオカミと会話ができる女子。


犬と会話なら

まだ分かるけれど⋯。


それ以外の言動や見た目は、

いわゆる不思議ちゃん系でも

痛い女系でもなく、

社会人になったら

仕事がバリバリできそうなタイプだ。


もしかしたら「オオカミ」というのは、

何かの暗号か隠語なのかもしれない。


ちなみにクラスにも、

たぶん学校にも

大神とか大上とかいう

苗字の生徒はいないし、

顔や雰囲気が

オオカミに似ている者もいない。


となると「オオカミ」は

狼のことではなく、

「オオオカミ」つまり「大女将」

という可能性が浮上してくる。


隣の女子は、

この近辺の料理屋や旅館の大女将の

孫娘か親戚だったりする

パターンもありうる。


もうひとつ、ありそうなパターンがある。

ゆるキャラというほどではないが、

近くの商店街やショッピングモールで

見かける着ぐるみのなかに

オオカミのキャラがいて、

その中の人が親戚か知り合いというパターン。


大方そんなところだろうと

タカを括っていたら、

もうちょっと隠語らしい隠語として

使っていると思われる場面に遭遇した。


放課後にたまたま

街なかで彼女を見かけたとき、

同年代の女子とワケのわからない言葉で

話していた。


ただふざけてメチャクチャに

奇声を発していたようにも思えたが、

何やら会話が成り立っているようにも

見えなくもない。


ほどなくして、

隣の席の女子がその友達に手を振って

「じゃあね、オカミオ」と言った。


自分はその場に立ったまま目を瞑った。

次々と話が繋がっていく。


その友達の名前はおそらく

「岡 美桜」とかそんなような名前で、

あだ名は「オカミオ」でまず間違いない。

オカミオのことを、

たまにオオカミと呼んだりすることも、

おそらくあるはず。


たしかに隣の席の女子は、

ワケのわからない言語で

「オカミオ」または「オオカミ」と

会話ができていた。









隣の席のクラスメイト

 

 

 

 

 

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