おへそから栄養をもらいながら、
誰かと誰かの会話に聞き耳をたてたり、
その誰かが好きな音楽を
なんとなく聞いたりしながら、
たまにリズムに合わせて
蹴りを入れたりする。
そんなときはきまって、
外側で会話が弾むらしく、
幸せそうな気分がおへそから
栄養といっしょに入ってきて、
自分も幸せな気持ちになる。
その気持ちを
早くそのひとたちに伝えたくて、
今度はもっと強く蹴ってみる。
あ、盛り上がっている。
自分もまぜてほしいな。
「ハヤクソッチニイクカラ」
「モットチョウダイ」と
今度はモールス信号を使って蹴ってみる。
⋯あれ、なんだそれ。
向こう側からトントンたたく音が
することはするけれど、
モールスの応答になっていない。
ちゃんとやってよ。
ぴえん…。
いやいや、ぴえんじゃ済まさない。
そっちに出たら、
思いっきり泣きわめいてやる~っ!