きょう犬小屋に、
プレゼントが置いてあった。
包装や外見が
クリスマスプレゼントみたいだった。
もしかしたら、きょうは犬にとっての
クリスマスの日なのかもしれない。
ポチ自身には意味不明だろうが、
それでも、ほんの少しだけ
幸せそうな目をしていた。
とりあえず開けてやろう。
あれっ、これって⋯。
見覚えがある代物だった。
去年の12月24日、
家族に用意していたプレゼントを
どこかに仕舞い込んで
分からなくなったまま諦めていたものだった。
ポチが見つけてきてくれたのか?
見つけた誰がポチのせいに見せかけたのか?
ポチがサンタクロースになる日だったとか?
さっきのポチの目、
幸せそうに見えたのは
人間の本性に根を下ろした
偽善の為せる業でしかなかった。