そこそこ高そうな瓶詰めのいか塩辛。


テーブルの真ん中にぽつんと一つだけ置かれている。


ついさっきコンビニで買ったものをポケットから出そうとしていたが躊躇わざるを得なかった。コンビニで買ったのも塩辛。安っぽい塩辛だった。


結婚記念日にお互いに塩辛を贈りあう。この珍妙な記念日ルールができたのは出会ったきっかけが塩辛だったから。


金額の多寡ではなく気持ちが大事などという言い訳は通用しない。


なにしろコンビニ塩辛を買ってきたのも今日がその日だということをすっかり忘れていたわけだし。


ポケットの塩辛はしばらく陽の目をみることはない。


とりあえず屋根裏にでも隠すか。


あ、その前に賞味期限を確認しておこう。むろん消費期限でもいい。


その日までサヨナラ、

わが最愛のシオカラ。