春のような陽気のなか、沼田の裁定が下った。


裏切り者を全員抹殺する。


下っ端の俺たちはそういうことになるものと思っていた。


一部の者が勝手に動きだし、自分たちが裏切り者とみなした相手を次々と手にかけていった。


当然、それに対する報復もあり、内ゲバの嵐が吹き荒れ、組織の人間は2割にまで激減。


それで沼田はゴキゲンだった。


それが沼田の狙いだったという見方が田谷と名乗る人間から流れ、俺たちはパニックに陥った。


俺はすぐ海外へ飛び、あとから合流した仲間が直近の情報をもたらしてくれた。


沼田は苫小牧で側近3人巻き添えに暗殺されたという。