アガリクスは自分的には‘既定’だが、「祝祭」を付けるとはどういうことだろう……。


アガリクスではなく、アポカリプスなら逆説的に語感が釣り合う。ホラー映画や小説とかのタイトルにありそうだ。


そういう無駄な納得をしている場合ではない。けさ届いた宅配便には覚えはない。かといって宛名書きが間違っていたり、不審なところはない。奇異なのは品名欄の「祝祭のアガリクス」だけだ。

「祝祭の」を鵜呑みにすれば、知り合いの誰かからサプライズのプレゼントともとれる。

だが、やはり怪しさが上回り、開けると猛毒の粉末が撒き散らされるような気さえしてきた。

…たしかに、今日は受賞が決まった日の翌日であるうえ、知り合いに健康食品関係の人間がたくさんいたりもする。

荷姿を撮ってネットで拡散させて引っ掛けるという手も考えられる。

が、それよりもこの荷物を、コイツだと思う知り合いに送りつけてやるほうが…。そう、それがいい。

たとえコイツが荷主でなかったとしても、この「祝祭のアガリクス」によって、サプライズの祝祭が華々しく上演されるにちがいない。