奴を逆臣に仕立てるのは、さほど難しいことではなかった。


息抜きしようと腰を上げると、宅配便が来たようだ。


お届けアサノ便でおなじみ、赤穂藩浅野家の家紋、違い鷹の羽をポップにしたマークの段ボール箱を受け取る。


鎧兜が入っているのでさすがに重い。


山内太郎左衛門の主家だった名部家の末裔の方から、太郎左衛門の甲冑を保管しているとの連絡をいただき、役に立つならと、ご厚意で貸していただけることになっていた。


こちらも、100万円かけて作ったレプリカをあちらへ先月お送りしていた。


写真や動画をもとに作ったレプリカとはやはり大違いだ。素材の問題でも使用感や時代感の問題でもない、モノの出来が違う。