線香花火といえば、誰が一番長く続けられるか、老若男女問わず楽しんだりする。


だが、老若男女のうち若い男が数人集まると、ちょっと事情が変わってくる。


とはいっても、派手な花火やロケット花火ではなく、あくまで線香花火の話。


誰が一番デカイ火の玉を作れるか。


線香花火を何本も束ねて巨大な火の玉を作る。


各自、所定時間内で、花火1本1本の選定や束ね方、火の付け方などいろいろなファクターを試行錯誤しながら、最適解を見つける。


そうしたテクニカルな情熱だけでなく、ひとりひとりの願いや想いを火の玉に込め、燃え尽きるのを見届ける。いわばミニマム五山の送り火(大文字焼き)だ。


この夏もウチのガレージで賞金5万円を賭けて熱い闘いが繰り広げられる。