出るはずだった試合が午前中だったとは…。


もう14時、どうしようもない。


あきらめて帰ろうとすると、大会の運営委員が声を掛けてきた。


規定で不戦敗には変わりませんが、対戦相手が待っていますよ。どんなに遅くなってもあなたが来たら控え室に顔を出させてほしいと。


えっ! (こんな時間までよくいたな)


たとえ非公式にでも試合をしたうえで勝ち上がりたいんだと言っていましたよ。ただ、彼も2回戦で不戦敗になりましたがね。


そうですか、わかりました。

(そうか、遅刻した相手を完膚なきまで叩きつぷしてやらないと気が済まないタチか、やれやれ、自分まで次の相手に不戦敗してまでオレと試合がしたいとは、よほどクレイジーなヤツだな…)