これの何にあやかっているのかが不明の、近所のそば屋の同じ名前のメニュー。


店の外のサンプルは見た目もりそばで、値段も同じ、注文してももりそばと同じにみえるものが出てきた。


食べてみても、そばもつゆも薬味も普通。


しまった!


これともりそばを一緒に注文すべきだった。


こっちのほうが、グレードの高いそば粉を使っていたり、上質なだしから作ったつゆだったり、薬味にも違いがあったりするかもしれないのに。


それほど味覚に敏感ではないから、同時に食べ比べないと分からない。


こうなったら、もう聞くしかない。


そば湯を持ってきてもらったときに聞いてみよう。


「そば湯で~す」


聞いてみた。


「日替わりメニューのようなものなんですよ。きのうはおろしそば、明日は天ぷらそばの予定です」


そういうことじゃない。どうして日替わりメニューにこんな名前を付けたのか、だよ。


「ただの気まぐれです。きのうはエマニュエル・パユ、明日はヘルメス・トリスメギストスの予定です」


なるほど。