東山一郎が親友の西川二郎を口論の末、誤って殺してしまった。
警察から連絡がきて、そう知らされた。
自分にも事情を聞きたいということで警察へ向かった。
担当刑事によると、西川が自分を殺そうとしていることを東山に打ち明けたところ、東山が西川を思い止まらせようと説得していたとき、西川が逆上して東山を突き飛ばし、東山も西川を突き飛ばしたら、西川が倒れた拍子に頭を打ち、死亡したということらしい。
事件当時の居場所と行動、最近の三人の関係性、その他の交遊関係を聞かれた。
とくに喧嘩の原因が自分であることや、西川の殺意の対象になっていたことについては詳しく聞かれた。
自分は、昨年のある出来事以来、東山を殺そうと考え始め、そのことを西川に相談していた。
たぶん西川はそれを自分で抱え込み、ひとりで解決しようとした。そういう内容の供述をした。
なるほど、それでよく分かりました。
西川さんがあなたを殺すつもりでいると東山さんに打ち明けたのは、東山さんをあなたの手から逃れさせようとしたから、ということになりますね。
南田三郎さん、明日も任意ですがこちらに来てもらいます。きょうはお引き取りいただいてかまいません。
ところで、私はこれから飯を食べるんですが、よかったらどうですか。
もしかしてカツ丼ですか? しかも自腹ですよね。
ええ、警察は出しません。それとカツ丼じゃありませんよ、東山の取り調べのときに食べましたから。中華丼ですよ、ここの中華丼は絶品なのでおすすめしたかっただけです。
⋯⋯たしかに、今まで食べた中華丼の中で一番うまかった。