緑道のわきにこっそり置かれていたカプセル。


日焼けサロンの日焼けマシーンのように人ひとりが横になれる大きさだ。


何が入っているのか、ちょっと気になる。


ま、何も入っていなくてもべつにかまわないけれど、どちらにしても確かめたい。


とりあえず近づいてみればいいわけだが、人目があると、自分の持ち物かと思われたり、勝手に投棄したと思われかねないので、迂闊に近寄れない。…って、猛獣とかじゃねーけど。


だが、もっと怖いのは人間が入っていたりしたら…。


遺棄された死体とかもそれなりに怖い。


生きた人間だったら別の意味で怖エ~。


へんちくりんなカプセルを道端に置いて、中に入っているような輩は無条件に怖ェ~。


遠くから、小石を投げてコツンと当ててみるのならいいかもしれない。いわばノックみたいなものだ。


「はい、どちら様ですか」なんて言いながら出てこようものなら、ソッコーで逃げるしかない。小学校低学年以来のピンポンダッシュだ。


しかし、相手は得体の知れない人間、もしかしたらゾンビかヤバいおっさんかもしれない。


どちらも身体はボロボロにもかかわらず追いかけるのだけは異常に速かったりする。