大晦日から元旦へのカウントダウンで、変顔を続けるという意味不明なチャレンジをした、ある女子が元旦の朝から泣き言を寄越してきた。
「あんた、顔、どうしたの」と親に言われ、鏡を見たら、変顔のまま直っていなかったという。

そんなわけないだろ、変顔がちょっと残っただけなんじゃないかと慰めてやった。

すぐあと、その自撮りが送られてきた。たしかにいつもの彼女とはちがっていた。昨日送ってきた変顔画像よりはソフトになったものの、変顔の残滓が残った素の顔に、不覚にも笑わせられてしまった。

そもそも、なんで変顔チャレンジをしたのだろう。おそらく、友達何人かと一緒に何か他愛ないことがきっかけで急に盛り上がって、ヤラかしてまった、そんなところだろう。

自称、変顔セラピストの私に相談を持ち掛けたのは正解。ただ、彼女のケースのように、これほどの後遺症は私にも手に負えないかもしれない。彼女には幼い頃に顔を踏んづける荒技を所望されたこともあるが、いまそんなことはできない。

まさか、そのことを思い出して泣きついてきたのか?  だとしても、せいぜい手を使って矯正するくらいだ。とりあえず、いかにもな手つきで似而非施術をやっておいて、知り合いの美容整形外科でも紹介してやろう。