年越しそばというタイトルの劇を
文化祭で演劇部が発表したのを思い出した。

主人公の川越俊子は、とある大晦日にそばを食べはじめ、年が明け、松が明けてもまだそばを食べ続ける。
ただ、三ヶ日の間はそばに餅を乗せたり、7日には七草をかき揚げにして天ぷらそばにしたりと、それなりに年中行事をフォローしていく。

たしか、そんな感じだった。
おもしろくもなければ、つまらなくもない。
なのに、大晦日が近づいて、ふと、秋の文化祭のことを思い出した。

そういえば、そういう演劇部の演目と連動した企画なのか、調理部が屋台でそばを出していた。
だったら、落語研究会も誰かが「ときそば」をやればよかったのに。

いま思えば、逆に演劇部と調理部がおかしかった、異様とさえ思う。

いろいろ思い出していくうちに思い当たることがあった。演劇部にも調理部にも、あのヤクチューが所属していた。“ヤクチュー”というのは、ふだんの言動が薬物中毒者みたいだったT賀S太のあだ名。劇中で使うそば、屋台で出すそば、ヤツはきっとそば粉にヤバい粉を混ぜてそばを打って提供し、素知らぬ顔をしていたにちがいない。

卒業後、最初の同窓会でヤツが沖縄で捕まったという噂を耳にした。どうせ薬物関係だろうと思ったが、ずっとあとで聞いた話では米軍基地関連だったらしい。ある意味、更生していたようだ。

むしろ、驚かされたのは、クラスのマドンナ的存在だったK菜が違法薬物所持と販売で捕まったことだ。たまたまなのか、K菜も沖縄に移住していたらしい。

二人の間には、何かありそうだ。
もちろん当局はとっくにその核心を掴んでいるだろうが。