ホークスが日本シリーズで優勝する夢を見て、実際そのとおりになった、と知り合いが言った。

彼は毎年、リーグ優勝が決まりそうな時期に日本シリーズの夢を見て、夢の勝敗が実際の勝敗になるという。

野球観戦が趣味の人だったら、そこそこあり得ることだと思っていた。

しかし、彼は気味が悪いという。

何勝何敗でどっちが勝つかが当たるだけにとどまらず、各試合の流れも夢の内容と現実がほぼ変わらないらしい。

一応、精神科で診てもらったらと言った。

彼もそうしたほうがいいか迷っていたらしく、私の言葉で踏ん切りをつけたようだった。

先日、彼の訃報を聞いた。

精神科医と私が殺したようなものだ。

いや、私かもしれない。

先月、私が彼に精神科を受診するように勧め、その直後に自殺するという夢を見ていた。

私も精神科を受診すべきか、警察に自首すべきか、誰かに相談したほうがいいのか。

それより、まず先に彼の親族に謝るべきか。

頭のおかしい人が他人の不幸をおもちゃにしに来た、と思われるにちがいない。

もう、いやだ。なにもかも嫌だ。
というより「厭」のほうだ。
しゃらくせぇ、いっそ、私も・・・。