庭の物置小屋を解体撤去して地面を掘り返したら、変な鉄屑のようなものが埋まっているのが見えてきた。
全体を掘り出してみたら、まさに掘り出し物だった。マジなお宝、銅鐸だった。
祭器という説が有力らしく、木槌で叩いてみると、なるほどいい音がした。
ただ、お寺の鐘というより、教会のカリヨンに近いイメージの音。ぶっちゃけていえば、喫茶店の“カランコロンカラン”の感じだ。
祭器だの卑弥呼だの、ご大層な話など持ち出すまでもない。どうせ当時も“来たよ~”程度の用途だったにちがいない。
たまにお祭りのときに、持っている者たちが持ち寄って、それこそカリヨンのように並べて繋げて掻き鳴らして景気づけ、そのついでに祈りをもっともらしい身振りを付けて捧げてみせた。ま、そんなところだろう···。

鎌田の話は、真偽はともかく、その銅鐸現物を前に滔々と聞かされると、私など無知蒙昧の徒はまんまと話に惹き込まれてしまう。

私もとっておきの宝物、翡翠の勾玉を鎌田に見せた。「今度はこれの話をしてくれ」と彼の盃に安物のワインを注ぎ、自分のグラスにスパークリングの日本酒を注いだ。

突っ込まないんかいっ!

鎌田は自分の話に酔って気がつかないのか、気づいても気にしないのか、しばらく勾玉を鑑定している。