ジャコメッティがホワイトボードに貼り出された。もちろん写真の拡大プリントだった。
いわゆる「写真でひとこと」が一人ずつに課された。
順番はエントリー順、最初の女子が起立した。
が、次の瞬間、パタ~ンと倒れた。
ほかの就活生も面接担当者も「貧血か~い」だったり「朝飯食ってこなかったんか~い」の顔になっていた。
隣の席だった自分が介抱しがてら、みんなの脳内から出かかっている、そのツッコミをリアライズする役割を僭越ながら請け負った。右手の肘から先をカラテチョップみたいに動かし、指先をきちんと揃えた手の甲で、その女子の肩を軽く叩いた。
えーっ!
俺は思わず声を挙げてしまった。
いまのツッコミを待っていたかのように、倒れていた女子が匍匐前進の如くモゾモゾと動きだした。
すこしして、救護を呼びに出ていた面接担当兼パシリ要員が白衣の女性とともに戻ってきた。
なにをやっているんですか!
就活生はもちろん、面接担当者も全員、額を机に擦り付けるように平伏した。
例の女子は変わらず、長い黒髪で他からは頭部が見えない状態のまま、ホワイトボードのほうへとイモ虫のようにモゾモゾと移動している。
→第二選考へつづく↓
いわゆる「写真でひとこと」が一人ずつに課された。
順番はエントリー順、最初の女子が起立した。
が、次の瞬間、パタ~ンと倒れた。
ほかの就活生も面接担当者も「貧血か~い」だったり「朝飯食ってこなかったんか~い」の顔になっていた。
隣の席だった自分が介抱しがてら、みんなの脳内から出かかっている、そのツッコミをリアライズする役割を僭越ながら請け負った。右手の肘から先をカラテチョップみたいに動かし、指先をきちんと揃えた手の甲で、その女子の肩を軽く叩いた。
えーっ!
俺は思わず声を挙げてしまった。
いまのツッコミを待っていたかのように、倒れていた女子が匍匐前進の如くモゾモゾと動きだした。
すこしして、救護を呼びに出ていた面接担当兼パシリ要員が白衣の女性とともに戻ってきた。
なにをやっているんですか!
就活生はもちろん、面接担当者も全員、額を机に擦り付けるように平伏した。
例の女子は変わらず、長い黒髪で他からは頭部が見えない状態のまま、ホワイトボードのほうへとイモ虫のようにモゾモゾと移動している。
→第二選考へつづく↓