ほら、ちょっと、上!
上を向いてみ。
な、見るのが遅いんだよ。
これじゃ、どうにもできないな。
自業自得だ、ザマぁねえ。
イゴーリさんの詩には好きな詩がいくつもあるが、最後に刊行された詩集『キャストランズ』所収のこの詩がいちばん好きだ。喧嘩腰で相手を嘲る台詞でしかないのに、どういうわけか好きだった。もちろん自分は、街中をぶらついては喧嘩を売って回るタイプの人間ではない。イーゴリ氏も近親者や関係者の話では、そうではなかったようだ。
この詩に好意的な評価をする人も知り合いに何人かいるが、好きだという人はいない。それはそうだと思う。どうして好きとまで言えるのか自分でもよくわかっていなかった。
じつは、数年前にそのことを別のある詩人に話したら、第二詩集『首謀者』の或る詩に第三詩集『まないた』の序文で言及したときの想いに由来していると教えてくれた。
該当箇所を改めて読むと、頭の中に思い浮かんだイメージが、この詩の語る相手側のイメージと重なり、不意をつかれた感覚を、衝撃に近い感覚を覚えた。
上を向いてみ。
な、見るのが遅いんだよ。
これじゃ、どうにもできないな。
自業自得だ、ザマぁねえ。
イゴーリさんの詩には好きな詩がいくつもあるが、最後に刊行された詩集『キャストランズ』所収のこの詩がいちばん好きだ。喧嘩腰で相手を嘲る台詞でしかないのに、どういうわけか好きだった。もちろん自分は、街中をぶらついては喧嘩を売って回るタイプの人間ではない。イーゴリ氏も近親者や関係者の話では、そうではなかったようだ。
この詩に好意的な評価をする人も知り合いに何人かいるが、好きだという人はいない。それはそうだと思う。どうして好きとまで言えるのか自分でもよくわかっていなかった。
じつは、数年前にそのことを別のある詩人に話したら、第二詩集『首謀者』の或る詩に第三詩集『まないた』の序文で言及したときの想いに由来していると教えてくれた。
該当箇所を改めて読むと、頭の中に思い浮かんだイメージが、この詩の語る相手側のイメージと重なり、不意をつかれた感覚を、衝撃に近い感覚を覚えた。