そこの保養地でのんびり読書とスケッチをして過ごすつもりだったが、ビーチから見える港で水死体が5体揚がった。
一介の観光客に過ぎない立場を承知してはいるものの、ド素人探偵根性が抑えきれなくなって、つい野次馬の輪の中から、現地警察の前にしゃしゃり出てしまう。
当然“なんだお前”という視線を向けられた。
名乗り出ると、今度は皆さんキョトン。
こういうとき、西洋人もやはり目が点になるもんだ。どうでもいい再確認にほくそ笑む。

一時間後、警察の方とともに車の中へ。
“名探偵の推理をお聞かせ願いたい”という雰囲気ではなかった。現場近くにいたいちばん怪しい不審者として連行されるようだ。
いやいやこれも素人探偵が警察に顔を売る絶好のチャンスだと開き直る。