ある時期、劇団ひとりのモノマネ芸人が二人もいたらしい。30代の「劇団もうひとり」、20代の「劇団ひとまわり」のふたり。
たがいに自分のほうが上だという意識があり張り合っていたらしく、ちょっとしたいがみ合いがときには激しい衝突に発展したこともあったという。
そのふたりの共通の知り合いで先輩に当たるチリアクタ五味が、いっそのことコンビで漫才仕立てやコント仕立てにしてやってみてはと提案した。
五味はふたりの長所を本人たちが気恥ずかしくなるほど褒め上げてみせたり、現役時代に組んでいたコンビの話を聞かせ、ふたりをその気にさせようとした。
…一週間後、ふたりとも受け入れた。モノマネをふんだんに盛り込んだスタイルの漫才にすると五味に宣言し、試しに作ったネタを見せた。五味はモノマネを笑い飯方式で交代にやるパターンは変えたほうがいいとアドバイスした。
なんとかコンビが成立しそうになり、コンビ名をどうするかという話になった。
「劇団ふたり」では、いかにも芸がなさすぎる。
それなら「劇団員ふたり」とか「劇団員2名募集中」とか…、どれもまだまだ。
劇団がらみにこだわる方向ならば、オリジナルが「劇団ひまわり→劇団ひとり」であるのにならって「劇団四季→劇団二季」とか…。しばらくネーミングごっこが続いた。
もう辞めちまおうかな…。
あ、それ、ありかも。
おまえも辞めるのか?
ちがうよ、ネーミングだよ。けれど辞めるぶくみで「退団二名」ってのは…。
なるほど「劇団」はそのまんまで使わないパターンな。
……といったやりとりがあったらしいが、結局コンビ名は「ふた味とうがらし」に決まり、当初はライブや地方営業を順調に続けたが、一年半したあたりから衝突が増えだし、コンビ名に義理立てするかのように二年経つのを待って解散し、二人とも引退したらしい。
(前出五味氏への取材に基づく)
たがいに自分のほうが上だという意識があり張り合っていたらしく、ちょっとしたいがみ合いがときには激しい衝突に発展したこともあったという。
そのふたりの共通の知り合いで先輩に当たるチリアクタ五味が、いっそのことコンビで漫才仕立てやコント仕立てにしてやってみてはと提案した。
五味はふたりの長所を本人たちが気恥ずかしくなるほど褒め上げてみせたり、現役時代に組んでいたコンビの話を聞かせ、ふたりをその気にさせようとした。
…一週間後、ふたりとも受け入れた。モノマネをふんだんに盛り込んだスタイルの漫才にすると五味に宣言し、試しに作ったネタを見せた。五味はモノマネを笑い飯方式で交代にやるパターンは変えたほうがいいとアドバイスした。
なんとかコンビが成立しそうになり、コンビ名をどうするかという話になった。
「劇団ふたり」では、いかにも芸がなさすぎる。
それなら「劇団員ふたり」とか「劇団員2名募集中」とか…、どれもまだまだ。
劇団がらみにこだわる方向ならば、オリジナルが「劇団ひまわり→劇団ひとり」であるのにならって「劇団四季→劇団二季」とか…。しばらくネーミングごっこが続いた。
もう辞めちまおうかな…。
あ、それ、ありかも。
おまえも辞めるのか?
ちがうよ、ネーミングだよ。けれど辞めるぶくみで「退団二名」ってのは…。
なるほど「劇団」はそのまんまで使わないパターンな。
……といったやりとりがあったらしいが、結局コンビ名は「ふた味とうがらし」に決まり、当初はライブや地方営業を順調に続けたが、一年半したあたりから衝突が増えだし、コンビ名に義理立てするかのように二年経つのを待って解散し、二人とも引退したらしい。
(前出五味氏への取材に基づく)