鬼の霍乱、氏名を書く欄、ミッシェル・カクラン、かくあるべし。

本を読んでいた和也がとつぜん格言のようなフレーズを口にした。

なんだそれ、アホ丸出しだな。

いやいや、ここに書いてあるんだよ。ほら、これ見ろよ。

本に貼ったあったふせんを剥がし、俺の額にくっつけた。

あ、ほんとだ。

えっ、翔太って、おでこにも目があったのか?

んなわけない。和也がくっつける直前に見ただけだよ。

わっ、それもすげぇよ。動態視力っていうやつか。

うーん、同じようなもんだけれど、まぁ速読法だよ。和也だって出来るはず、その3冊、この30分で読み終わったんだろ。

あ、そうか。そうだな。