そもそも、なんで産廃処理場なのだろうか。「参拝がお好き」なら宗教、信仰がらみでそれなりにはなる。もちろん、分かりやす過ぎたり、なんの引っ掛かりないタイトルがいいわけではない。

主人公の宮ノ塚咲羅にしても、魔女風の衣装だったり、ベタな怪しい占い師風だったりするならわかる。萌え要素を乗せて巫女風にするのもいい。なのに黄色いヘルメットにライトグレーの作業着と安全靴といういで立ち。たしかに産廃好きアピール満載のコスチュームだ。だが、少しでも降霊術師を感じさせるような怪しげなアイテムやモチーフをどこしらに付けてほしい。たとえば、ヘルメットにパワーストーンを散りばめていたり、ハンマーの柄に白蛇が巻きついているデザインが施してあったり、いやいや、ハンマーなどではなく仙人が持っていそうな大仰な杖だったらなおいい。
名前だけはそれらしい雰囲気を醸してはいるが、フツーに処理場で働くきれいなお姉さんにしか見えない。今のところ降霊術も使わない。重い廃棄物を浮かせたり、一瞬で粉砕したりする魔法も手品も見せない。年上の男性を手玉にとるという小悪魔的キャラを垣間見せるシーンは中盤にある。いよいよ、オカルト要素が注入されると期待値が上がった。が、そういう展開はしばらくない。期待感は漸減し続け、限りなくゼロに近づいた。

なんなんだよこれ。

こんなふうに、文句タラタラ、一生分の不満がアタマの中で渦巻くがままに任せていたら、最後の最後で、この処理場で一番の古株、中田昌吉さんが、若いときに事故で亡くした奥さんの霊を下ろし、咲羅は気味悪がるシーンが出てきて、なかなかの糞サプライズ。必ずしもタイトルが主人公のことを表しているわけではないというどんでん返しで終わる。