御存じ、粗忽長屋の二人が
連れ立ってお伊勢詣りに出かけ、
道半ばにして行き倒れになる。

物語は行き倒れになった場面から始まる。
行き倒れになって
人だかりができている自分たちの姿を
二人の魂が上から見下ろしながら
互いに粗忽っぷりを競うかのような
やりとりを繰り広げる。

神さまにお伺いをたてにいこうか、
いや仏さまだのというくだりで
バサッとぶったぎるようなオチ。

オチは夢オチだが、
夢から覚めたのは
長屋が火事に巻き込まれ、
炎が迫っていたため。

粗忽の二人は逃げ遅れて焼死するという
暗い結末。

一種のアフォリズムなのか…。