「ヒマワリの種、買ってこい!」
メールがきた。
飼っているリスからだ。
生意気に飼い主にメールで
補給命令を下しやがる。
エサ箱が空になると
ボタンを押す程度のことは
できるようになった。
ボタンを押すと
先ほどのメールが自動送信される
「エサ買えシステム」を構築してやったら、
調子に乗りだしやがった。
こっちも機嫌が悪いときは、
返信で、殺処分ほのめかしメールを送る。
もちろん、それへの返事はない。
リスは文字が読めない。
いくら殺処分をちらつかせても
当然まったくこたえない。
何事もなかったように
平然とヒマワリの種をかじり続ける。
俺も何事もなかったように
ヒマワリの種をカゴに入れる。
それをレジに持っていく。
「早く買ってこい! 何やってんだ」
リスから催促メールがきた。
そんな設定はしていない。
どういうことだ? …もしかしたら、
まさか、そんなことが…。
もはや人類の平和が脅かされかねない。
例のほのめかしメールは返信せず、
保健所に電話をする。日時を決めた。
さっき買ったヒマワリの種は
返品しに戻った。
「牛乳、買い忘れたから買えたら買ってきて」
これは、かみさんからの買い物メール。
「あとヒマワリの種、もうなさそうよ」
この件には、返信ではなく電話だ。
「ヒマワリの種はいらなくなったんだよ」
「えっ、どういうこと?」
「あさって保健所に
引き取ってもらうことにした」
「あんなに可愛がっていたのに?」
「可愛がり過ぎたからかな。
場合によっては、明日にでも
保健所に持ち込まないとまずいかも」
かみさんの悲鳴とともに電話が切れた。
急いで家に帰ると、
かみさんの体は全身いたる所、
かじられたような傷で血だらけになっていた。
顔がいちばん酷かった。
ここに誰が住んでいるのか知らなければ
これがかみさんの顔だとは
とうてい分からない状態、
かろうじて残った肉が骸骨に
へばりついているだけの状態だった。
もちろんリスの姿はなかった。
メールがきた。
飼っているリスからだ。
生意気に飼い主にメールで
補給命令を下しやがる。
エサ箱が空になると
ボタンを押す程度のことは
できるようになった。
ボタンを押すと
先ほどのメールが自動送信される
「エサ買えシステム」を構築してやったら、
調子に乗りだしやがった。
こっちも機嫌が悪いときは、
返信で、殺処分ほのめかしメールを送る。
もちろん、それへの返事はない。
リスは文字が読めない。
いくら殺処分をちらつかせても
当然まったくこたえない。
何事もなかったように
平然とヒマワリの種をかじり続ける。
俺も何事もなかったように
ヒマワリの種をカゴに入れる。
それをレジに持っていく。
「早く買ってこい! 何やってんだ」
リスから催促メールがきた。
そんな設定はしていない。
どういうことだ? …もしかしたら、
まさか、そんなことが…。
もはや人類の平和が脅かされかねない。
例のほのめかしメールは返信せず、
保健所に電話をする。日時を決めた。
さっき買ったヒマワリの種は
返品しに戻った。
「牛乳、買い忘れたから買えたら買ってきて」
これは、かみさんからの買い物メール。
「あとヒマワリの種、もうなさそうよ」
この件には、返信ではなく電話だ。
「ヒマワリの種はいらなくなったんだよ」
「えっ、どういうこと?」
「あさって保健所に
引き取ってもらうことにした」
「あんなに可愛がっていたのに?」
「可愛がり過ぎたからかな。
場合によっては、明日にでも
保健所に持ち込まないとまずいかも」
かみさんの悲鳴とともに電話が切れた。
急いで家に帰ると、
かみさんの体は全身いたる所、
かじられたような傷で血だらけになっていた。
顔がいちばん酷かった。
ここに誰が住んでいるのか知らなければ
これがかみさんの顔だとは
とうてい分からない状態、
かろうじて残った肉が骸骨に
へばりついているだけの状態だった。
もちろんリスの姿はなかった。