よ、どんなカッコしよってんだ。

こんなカッコだよ。

昌弘は、すぐ横で牛乳を飲んでいるおっさんの隣に並んで鏡の前に立ち、左手を腰に当ててフルーツ牛乳を一気に飲み干した。

もはや、そこまでやると、特撮ヒーローに変身するみたいだな。

バスタオル仮面、参上っ! …とかな。

ノリノリだな。

おまえこそ、銭湯でバスローブなんかはおるなよ、バスローブ仮面かよ。

ヒーローはおまえ一人でいい、オレは怪人バスローブだ。巨大化したらビッグローブになるパターンな。

なんだよそれ。どうせならビッグローブのCEOになれよ。

おまえの親父さんがいまやっているんだろ。

まあ。とにかく言っておいてやるよ。コネっていうやつだ。転職してくれば、今の会社よりいい待遇でどうだ。

いいよ、コネなら、親父さんとここでいまみたいに並んで牛乳を飲ませてくれよ。

うーん、言っとく。