エンジェルケースなんともなかった。目が覚めたばかりのときは、そういう感じだった。日が昇ってからもしばらくは、なんともない、なんともないと自分に言い聞かせていることができた。夕闇が迫る頃になると痛みがジンジンと強くなってきた。「なんともない」を喉から絞りだす。