なんともなかった。

目が覚めたばかりのときは、
そういう感じだった。

日が昇ってからもしばらくは、
なんともない、なんともないと
自分に言い聞かせていることができた。

夕闇が迫る頃になると
痛みがジンジンと強くなってきた。
「なんともない」を喉から絞りだす。