驚異的な強さだった。敵であればまさに脅威的な存在となろう。
常備軍の精鋭500名と当家の私兵200名を相手にものともしなかった。
そこで、問題は彼をどちらに所属させるかだ。むろん個人的にはウチの旅団で指揮や練兵をやってもらいたいところなのだが…。
折しも国家存亡の危難に臨み、そうは言ってはおれん。ここは閣下に一任するほかあるまい。
いずれにせよ、内々に本人の意向を聞いておくに留めておこう。それだけでも、あわよくば、のことも期待できようて。
夜明け前、急報が届いた。
彼が常連軍の精鋭100名とともに行方を眩ませたという。
さすがと言うしかない。単に居所がわからなくなったのではなく、忽然と消えたらしい。選び抜いた10名程度ならともかく、100名とは…。いくら精鋭とはいえ、彼と行動を共にするには練兵がまだまだのはず。それをたった一人で動いたかのように。
とにかく追討軍の編成を急ぐ。
当然、当家の私兵10名はすでに先遣し、捜索させている。
一人が帰ってきた。懸念は杞憂に終わった。ほかの九名は彼が隊に編入したという。さっそくの抜き打ち演習だった。じつに彼らしいが、私には一言ほしかった。
常備軍の精鋭500名と当家の私兵200名を相手にものともしなかった。
そこで、問題は彼をどちらに所属させるかだ。むろん個人的にはウチの旅団で指揮や練兵をやってもらいたいところなのだが…。
折しも国家存亡の危難に臨み、そうは言ってはおれん。ここは閣下に一任するほかあるまい。
いずれにせよ、内々に本人の意向を聞いておくに留めておこう。それだけでも、あわよくば、のことも期待できようて。
夜明け前、急報が届いた。
彼が常連軍の精鋭100名とともに行方を眩ませたという。
さすがと言うしかない。単に居所がわからなくなったのではなく、忽然と消えたらしい。選び抜いた10名程度ならともかく、100名とは…。いくら精鋭とはいえ、彼と行動を共にするには練兵がまだまだのはず。それをたった一人で動いたかのように。
とにかく追討軍の編成を急ぐ。
当然、当家の私兵10名はすでに先遣し、捜索させている。
一人が帰ってきた。懸念は杞憂に終わった。ほかの九名は彼が隊に編入したという。さっそくの抜き打ち演習だった。じつに彼らしいが、私には一言ほしかった。