今月投降した記憶はありません。
一応、はい。

記者:立てこもりを始めたのが5月30日ですから、三日目になりますね。

そうかな。

記者:足かけ2か月っていうことですね。人質も三人死にました。

毎日銃の手入れをしないと気が済まないタチなもんで。この分だと人質全員死亡になっちゃうよね。

記者:そんな…。元テロ対策チームの天口氏もそういうシナリオを想定していますが。

あ、そういうことね。警察もそれまで待って突入するかビルごと爆破したほうが無難だわな。ヘタに突入して人質を巻き添えにしたなんてことより、立てこもり犯に殺してもらったほうがマシってか。

記者:なるほど。で、迎え撃つ側のシナリオはいかがですか?

言うわけないだろ。でもま、派手なアクションとかないし中継もできないだろうが、トム・ブルースとかクルーズ・ウィリスとかが出てくる映画よりオモシロいシナリオを用意してあるからよ。

記者:乞うご期待というわけですね。

あんた、記者のくせにダメだろ、それは。ま、本当は記者でもジャーナリストでもないのは分かっていたけれどよ、かといって警察でもないよな。

記者(偽):バレてましたか。

なんだ、チミは?

記者(偽):なんだチミはってか…、そうです、ワタスがヘンなおじさん、ならぬ、猟奇マニアです。

猟奇マニアだぁ? ヘンなおじさんだろが、それこそ。

記者(猟):ヘンなおじさんレベルならテレビにかじりついて中継見ていますよ。

違う違う、猟奇マニアはビルと警察と報道陣しか映らない中継なんか見ないよ。そんな暇あったら自分の妄想に入り込むもんだ。

記者(偽猟):あんたも?

元マニアだ。今はこのとおり、マニアが昂じて猟奇実行犯だ。

記者(偽猟):恐れ入りました。

あんたも猟奇マニアの端くれなら、最高のお土産くれてやるよ。

記者(端猟):えっ!? …えーっ!!

猟奇マニアが立てこもり現場に潜り込んで手の先、足の先から弾丸をぶち込まれるなんて最高だろう。

bang!!
uuuuuuuh!!

最近はやりのラインストーンにしてやろう。スワロフスキーじゃないけれどな。

bang! bang!…………………