(なんなのよ~っ!)
一曲目を歌い終わってカデナは叫びそうになるのをこらえた。
拍手が鳴りやまない、しかし、パサパサ、パラパラと乾ききった音。
ありがとう~!
(とにかく、始まったばかり。あいさつと意気込みのトークに入らないと。)
えー、きょうはあいにくの雨の中みんな来てくれて…
(あれ、まだパサパサが止まない。え、なになに!?)
目を凝らし、客席を見る。観客のほとんどがブルーのTシャツだった。ファンクラブ推奨のユニフォームはグリーンのはずだった。ライトや光線のせいかとも思ったがそうではなかった。見慣れたグリーンも端や奥のほうにちらほら見えはした。それよりブルーシャツの観客は全員、縁が太めのメガネをしていた。
(もしかして、なにかサプライズでもあるのかしら…、きっとそう。)
そうではなかった。本番中だからといって安易な気やすめをしている場合ではなかった。
ブルーの集団が一斉に立ち上がり、手をパサパサとたたき続けたまま、ゆっくり舞台に近づいてくる。
(えーっ! これってマジでやばいヤツ!?
あ、でもでも、気味悪いけれど、ちゃんと並んで同じ早さで近づいてくるじゃん。あ、わかった、番組の大規模なドッキリかも、そうよ! だったらそれなりのリアクションしないと…)
一曲目を歌い終わってカデナは叫びそうになるのをこらえた。
拍手が鳴りやまない、しかし、パサパサ、パラパラと乾ききった音。
ありがとう~!
(とにかく、始まったばかり。あいさつと意気込みのトークに入らないと。)
えー、きょうはあいにくの雨の中みんな来てくれて…
(あれ、まだパサパサが止まない。え、なになに!?)
目を凝らし、客席を見る。観客のほとんどがブルーのTシャツだった。ファンクラブ推奨のユニフォームはグリーンのはずだった。ライトや光線のせいかとも思ったがそうではなかった。見慣れたグリーンも端や奥のほうにちらほら見えはした。それよりブルーシャツの観客は全員、縁が太めのメガネをしていた。
(もしかして、なにかサプライズでもあるのかしら…、きっとそう。)
そうではなかった。本番中だからといって安易な気やすめをしている場合ではなかった。
ブルーの集団が一斉に立ち上がり、手をパサパサとたたき続けたまま、ゆっくり舞台に近づいてくる。
(えーっ! これってマジでやばいヤツ!?
あ、でもでも、気味悪いけれど、ちゃんと並んで同じ早さで近づいてくるじゃん。あ、わかった、番組の大規模なドッキリかも、そうよ! だったらそれなりのリアクションしないと…)