高原で養蜂をやっている
知人を訪ねた。

東京からの土産に
スーパーで売っている
蜂蜜を持参。

悪のりではない。
例年、彼から頼まれている。

最初に頼まれたとき、
理由をきいたが
こたえてくれなかった。

何年後かに分かるよ、
と思わせぶりなセリフだけを返された。

今年で五年目。
野暮は承知で改めてきいてみよう
と思いながら山道を登ってきた。


着くと、蜂蜜を塗ったトーストを出してくれた。毎年恒例の歓迎の仕方だ。

もう一枚どうだ。

それほどは腹が減っていないが、
お代わりをすすめてきたのは初めてだった。
なにか含みがあるのかもしれない。
それを潰してまで断るほど満腹ではない。

ええ、いただきます。