果てしなくつづく赤茶けた大地。
吹きわたる砂まじりの風。
そこに男が石像のように立ちつくしている。
彼はもはや人間ではなかった。
悪魔の権化となっていた。

やすお、やすお! 遊んでないで歩きなさい。混んできちゃうから早くして!

幼い頃に浴びせられた母のいらいらした声が頭の中でした。

いまさら、なぜ…。
彼はすでに6人メッタぎりにしていた。

もういい加減にしなさいと、お釈迦様がダメ出しに動いたのか。だが、内容からしてそんなわけない。むしろ、とっととズラかっちまえと悪の親玉が叱咤するような言葉だ。

いまの康雄だったら、悪の親玉すら目の前にいれば、メッタ切りにしてしまうことだろう。
では、お釈迦様なら?