行者様の乗っこしを日没間際に越えただべさ。んで道に迷った。ここらの山道は目を瞑っても歩けるはずじゃったが……、齢なんじゃろうかのぉ。
心細さと負け惜しみがない交ぜになった感情が高ぶり、いつの間にか死んだ婆さんに語りかけていた。
この時分なら、着ているもので寒さはしのげる。