そうだな。クビレ、なくなりかけているもんな。
うゥー、おなか引っ込めていたんだけどな。
バレバレー。あばらはまだまだ浮きでていたけれどな。
香澄の脇腹をくすぐる。
や、やだっ、バカップルそのものじゃない。

……そんな俺たちを見かねたのかのように照明が落とされ、予告編が始まった。
もうそろそろ本編が始まりそうなタイミングで急に眠気が強くなってきた。

目が覚めた。映画は終わっていた。それどころか、席には俺達二人だけになっていた。
やばい、蝶野もどきにはめられたか!?
おい、香澄起きろ!
…ん、なあに…
館内の照明が落とされ、スクリーンに光が投影された。やはり、蝶野もどきが動いているようだ。