逃走劇は小沢がロックオンしたときに幕が下りたといえるが、職業柄、いくら小沢を信頼していたとしても最悪の事態を想定していなければならない。それは軽口を叩いた井上もわきまえているはずだ。
…良かった。
5キロほど先で小沢と佐渡が容疑者を取り押さえていた。車も人間も無傷。あっさり車を路肩に止めたという。