画家と創造
日本から本を送ってもらいました。
最近、無性に本が読みたくなる瞬間があって
寝る前に同時進行で4冊の本を読んでいます。
左上から右回りで
「見えない音、聴こえない絵」 大竹伸朗 新潮社
「恥の美学」 秋山祐徳太使 芸術新聞社
「横尾忠則の画家の日記」 横尾忠則
アートダイジェスト
「インドへ」 横尾忠則 文春文庫
小説でも良かったのですが、この4冊はすべて
画家、芸術家のエッセイ集、日記です。
その中で、昨夜「見えない音、聴こえない絵」
大竹伸朗さんの本を読み終わりました。
3年前、大竹伸朗さんの現代美術館の展示「全景」
を観ていたので、3年間の準備期間のエピソード
や過去の思い出などなど、大変読んでいて刺激
になりました。2000点を展示するという大胆な
発想の元には、尽きることのない制作に対する
思い。描かなければならない、どうにも抑える事が
できない創造への衝動。
僕も今年はアムスに来て、よ~しやるぞ!!
と制作を始め10か月で油彩、アクリル、木炭の
ドローイング、セラミック、版画などなど、全ての作品を
合わせて約150点を制作してきましたが、大竹さんの
本を読むと「全景」の展示風景を思い出し、まだまだ
やれるぞ~と改めて気持ちが引き締まりました。
本のタイトルになっている「見えない音、聴こえない
絵」の意味。「見えないと絵はできないのか?」
そんな疑問がずっとあった。「人がモノを見て絵を制作
すること」とは一体なんだったのか?人が無条件に
信じ込む「見ること」と「絵」の間には一体何が横たわ
っているのか?
中途半端に「見て」作られた絵より徹底的に「見ず」に
完成したものの方が、やはり「ナニカ」に届く、予想が
確信に近づいた思いがした。
僕も絵を描いていると同じような事を思う事がある。
四角いキャンバスという限定された紙やキャンバス
に何を描くのか?それは時に無限に続く「宇宙」のよう
に感じる時がある。今日もまた1枚でもいい絵が描け
たらいいなぁと空に願う。