オランダで11年半、生活してみて想う事 | 美術作家 肥沼義幸の制作日記

オランダで11年半、生活してみて想う事

 

 

オランダで生活して11年半。そのなかで半年間はドイツでも生活する

機会を持てた事は両国の文化を知る良い機会になった。

学生時代には主にアジアを旅し、いつかはヨーロッパにも行ってみたい

と考えていたが、こんなにも長くオランダという国にお世話になる

とは正直、想像していなかった。

 

家族の理解とサポート、オランダで出会った全ての友人達に感謝。

また、大きな事故や怪我、病気にもかからなかったこともありがたい。

もし、行ける国と行けない国があるとすれば、僕とオランダには

【 強い縁 】があったと思う。

 

2年ほど前から、いつオランダでの制作を終えるべきなのかを

考え始めました。元々いつかは日本に戻る予定でオランダに来ている

ので、そのタイミングがいつなのかを自身に問う事は多かった。

やっぱりね、こうして外に出て改めて自分が生粋の日本人であり、

そのアイデンティティはどこまでも濃い事を実感した。

 

そして、昨年の12月にヨーロッパでの経験はこれで充分だと実感し、

このままオランダで生活を続ければ同じような絵を描き続けてしまう

のではないかという強い不安もあり、考えに考えてオランダを去る

決心をしました。

 

この半年間はオランダを去る準備をしながら制作を続けていました。

家の契約解除、会社登録、住民登録、銀行口座など全てをクローズ

(閉めて)して、たくさんの作品と荷物の運送を済ませた後に、

友人に別れの挨拶をしました。

 

正直、オランダを去ると決めた時に少し肩の力が抜けたのを覚えて

います。そして、とにかくできる事から確実に終わらせていく事だけ

を考えて生活していました。

日本に戻って何ができるのか、自分に合った仕事は見つかるだろうか

色々と不安もありますが、この選択は確実に正しいものになると信じて

おります。壊れるべきことが、壊れるべき時に壊れるというのかな。

ここで1回仕切り直して、来年に向けて新しい出発の準備をするには

今がベストなタイミングだと判断しました。

 

オランダを去る事に全く後悔はなかったのですが、ただ1つだけ。

2011年から個人事業主としてロッテルダムで制作とビジネスをして

きて良かった年もありましたが、オランダで起業した芸術家として

は【失敗】を経験しました。この経験を次に生かす事!

人生における本当に貴重な勉強の時間を持てました。

絵を描き続けていれば再びオランダで、そしてヨーロッパで作品を

観てもらう機会もあるだろうと信じて、これからも制作していけたら

と思っています。

 

このブログ(制作日記)は、2009年1月にオランダで生活を始めて

からの記録になります。だから、11年半のオランダ制作日記になった

のかな。読者の皆様に感謝します。

 

 

オランダに来れて良かった。本当にありがとう!!