マチエールの魅力 | 美術作家 肥沼義幸の制作日記

マチエールの魅力

 

 

キャンバスに絵を描くのか、紙に絵を描くのか、

何に絵を描くのか...、支持体とマチエールについて考える事

が多い。

 

これだ!という支持体に絵の具の層が重なって生み出される

独特なマチエールの魅力。

 

ジュリアン・シュナーベルは支持体に皿を貼り付けて、

その皿の上から油彩で絵を描いた。

リチャード・プリンスはキャンバスに印刷された看護師の

イメージの上からアクリルで看護師を描いてみせた。

フランスで活躍した藤田嗣治は研究の末にタルクの働きによって

作られた半光沢の滑らかな乳白色のマチエールの上から油彩で

猫や女性を多く描いた。

 

自分は何に絵を描けばいいのだろうか、

どんなマチエールを生み出せるだろうか?

絵を描きながら考える。

 

今までやってきたコラージュとしばらく封印していた油絵の具が

これからヒントになってくるように思うのだが・・・

おぼろげに浮かんだり、消えていくまだ見ぬ絵のイメージを

想像し、可能性を模索する。

時間はかかると思うけど、そのビジョンを手元に引き寄せて

みたい。

 

自分は良い方向に向かっていると信じる。