不安を描くこと | 美術作家 肥沼義幸の制作日記

不安を描くこと

 

 

僕がもっとも影響を受けた画家のひとり、エドヴァルド・ムンク。

何故、ムンクの絵に惹かれるのか? ムンクは生涯を通して

『人間とは何か?』を考え、常に「孤独」や「不安」と向き合い

ながら自らの内面を描いてきてた。最近、ムンクの画集を開くこと多く、

今だからこそムンクの絵から何か感じとることができるのではないかと

思った。

 

孤独な愛と性、生と死。

 

ここ数ヶ月、コロナの影響で目に見えないものへの不安を感じる

ことあり、その感情を絵で描き残しておきたいと思った。

シンプルに木炭のドローイングで描いていく。

そこに余分な色と雑念はいらない。

 

木炭紙の凹凸に深く入り込んだ漆黒から浮かんでくるイメージは

人の姿である場合が多く、ギョロリとこちらを見つめる目、

そして彼らの口はかたく閉じられているように感じる。

何かを伝える訳ではない、日記を書くように

今だからこそ描けることを紙の上に描(書)いていく。