筆跡 『 自分の絵とは何か?』 | 美術作家 肥沼義幸の制作日記

筆跡 『 自分の絵とは何か?』

 

 

木炭のドローイングを始めて、もう一度筆跡(タッチ)について

考えてみる必要性を感じた。絵は様々な要素の組み合わせで

出来上がっている。主に筆跡、色彩、構図など。

 

【筆跡】だけにフォーカスを当てると僕にとってゴッホの存在は

とても大きい。アムステルダムのゴッホ美術館でゴッホの絵、

あのユニークな筆跡を観て、自分は別の方向に進むべきなのではないか?

と感じ、日本で描いていた油彩から離れてコラージュとエポキシ樹脂

の組み合わせで作品を制作してきた。それは影響を受けたゴッホの絵

から離れて『 自分の絵とは何か?』を考えることに繋がったように思う。

 

近年はエポキシ樹脂を使わずに紙にコラージュとインクの組み合わせで

絵を描いているが、あまり筆跡を意識する必要がないのは同様である。

つまり、コラージュ作品は【筆跡】より《色彩と構図》にフォーカスを

あてて制作をしていた訳である。

 

しかし、『 自分の想い(主題)や、こう描きたい。』という意識が

確かにあるのならば、そこにはやはり筆跡が必要性なのでは?

とも感じている。長い年月をかけて続けてきたコラージュ制作に

ここで区切りをつけるべき。今スタジオの壁にかかっている描きかけ

のコラージュ作品8点を完成させた後、新たに筆跡を意識した作品に

取り組みたいと思います。