月と星 Starfox | 美術作家 肥沼義幸の制作日記

月と星 Starfox

 

滞在制作をしているドイツ、アッシャースレーベンの宿泊施設

(アパートメント)は最上階の5階にあり、暑くて寝付けない時は

窓を開けて星空を眺める。夜の匂いが不思議と心を落ち着かせ、

明るい月と星々が出迎えてくれる。

 

こうして、夜空を見上げるとついついUFOが現れないかと期待して

しまうのは今も昔も変わらない。

残念ながらエイリアンには出会ったことはないが、

その代わりに現代美術のフィールドで宇宙や、惑星、月をテーマに

作品を制作しているアーティスト達とは(何故か)出会う事が多い。

今回のレジデンスでもドイツ出身でニューヨーク在住のアーティスト、

アティは宇宙をテーマに作品を制作している。

 

夜空を見上げると、ゴッホの名作『星月夜』を思い浮かべる。

大好きな絵。

あのゴッホの筆跡(タッチ)に惹かれ、ぐるぐると渦に飲まれたように

ゴッホの出身国、オランダにたどり着いた。もう9年も前の話。

星の巡り合わせはとても不思議。オランダで素敵な人達と出会い、

そして今はドイツで絵を描く夏を過ごしている。

 

果たしてこれから何処に向かって行けばいいのだろうか。

おぼろげに浮かぶビジョンを手元に引き寄せるために、

今できる事をしっかりと。

まずはこの滞在制作中、1点でも多く絵を描き切る事だと思った。