手を動かす事(LIA滞在制作・5月) | 美術作家 肥沼義幸の制作日記

手を動かす事(LIA滞在制作・5月)

 

ドイツ、ライプツィヒLIAでのレジデンスが始まり1ヶ月が経とう

としています。この1ヶ月間はとにかく手を動かし続けてきました。

 

いったいイメージはどこからやってくるのか?

 

白い紙や白いキャンバスにいきなり描き始めるのはどこか

プレッシャーのようなものを感じる。あえて白い紙を

絵の具を混ぜるためのパレットとして使用し、絵の具が

乾いた後にその偶発的(いや少し意識もしているのかも)に

混ぜあった絵の具の色や形からイメージを呼び起こしたり、

シュピネライの共同ゴミ捨て場に毎日足を運び(1日2回も行く

ときあり)捨てられている色あせた紙やダンボールに絵を描く

作業は描かれたモティーフと支持体が上手くかみ合うことが

あり、そのような瞬間は「やった!」と思える。

 

また木炭紙にあえてアクリルで描いてみたり、当たり前の事

かもしれませんが実際にやってみないと分からないことばかり

だなぁと思うのです。今まで木炭紙は木炭で描くために作ら

れた紙であるのだからという考えが大前提にあり、それが

当然だと思ってきました。前提を少しずつ壊していく作業、

それも新しい作品を作るためには必要だと気がつきました。

 

何に(支持体)にどう描くのか?

 

残り2ヶ月のLIA滞在はそのような事を考えてどんどん

次の作品を制作していきたいと思っています。