メメント☆モリモリ | 美術作家 肥沼義幸の制作日記

メメント☆モリモリ

 

30歳を過ぎてから歳を意識する事がおおくなった。
単純に体力の衰えを意識したり、肉体の変化で言えば
白毛の数も増え、頭中央部分は薄くなってきている。
またすぐに体重も増えてしまうようだ。どこか身体に
異常があれば気にするようにもなり、健康診断には
2年に1回行くように心がけるようにもなった。
作品が変化するように確実に自分も変わってきている。

 

10代、20代の時に友人や祖父が亡くなり死を意識する事は
あったが30代になり急に冷え性になってしまい足先が
氷のように冷たくなる感覚は肉体の衰えと変化を意識し、
いつか自分も冷たくなって死ぬのだという事を考えさせら
れる。

 

肉体の衰えや変化はたしかに不安でもあるが、
昔から死後の世界への興味はつきない。
このブログのヘッターイメージにガイコツ達がボートゲームで
遊んでいるイメージがあるがこのユーモラス(人間は死んでも
賭け事が好きという欲なのか?)な感じは僕のお気に入りの
イメージとなっている。

 

ゴッホのように密度の高い時間で一気に作品を仕上げて
短い生涯を終えた画家もいるが、
反対にピカソ、ダリ、ムンク、シャガールのように長く生きた
芸術家は多い。昔から僕の好きな芸術家の作品からは確かな生へ
のエネルギーを感じる。それは作品と対した時に得られる
『よし!僕もはやくスタジオも戻り新しい作品を描かないと
いけない!」と作品からエネルギー(生きるための)を
シェアしてもらえる感覚である。

 

どんなにトレーニングを積んでも肉体は衰えるもの。
その衰えと死を意識し、いいバランスをとりながらこれからも
モリモリと制作していきたいと思っている。
いろんな経験を積み、歳をとらなければ描けない作品がある
という事は1つの希望である。