アウトサイダーアート ~生の芸術~ | 美術作家 肥沼義幸の制作日記

アウトサイダーアート ~生の芸術~




先月、資料を探しに立ち寄ったロッテルダム図書館
で一冊の画集に出会った。世界のアウトサイダー
アーティストの作品を特集したもので、有名な画家
ではアンリ•ルソー、日本からは山下清氏の作品
などが扱われていた。およそ50x35cmという大きさで
厚さ10センチ程の画集は本棚に収まるには大きすぎる
らしく、1冊平置きにされていた。数十年前に出版され
たようで所々黄色に変色しているページに本の年月を
感じ、「俺は本棚には収まらないぞ!!」という画集の
大きさに出版社のなみなみならぬ思いと気合いを感じた。


アウトサイダー•アートとは•••


☆ 唯一無二の個性を誇るアマチュア作家から
エキセントリックな独学者、精神病者、知的障害者、
幻視者など、多種多彩な作り手たちによるアート。


☆「 アール・ブリュット(生の芸術)」という
フランスで生まれたある芸術理念を、英語で紹介する
ためのキャッチフレーズ。


☆「文化によって汚されていないピュアな芸術」の事。


☆ 精神病患者や霊媒師の絵にみられるような、

それぞれの作り手個人の内側から生まれる動機と

創造性を持った表現に捧げる賛辞。


( 美術手帖 2009•07号より抜粋)


絵を学んでいくうちにアウトサイダーアーティストの
存在を知った。実際に彼らの作品を前にすると、
絶対に自分では同じように描くことはできないと
痛感し、同時に変なシガラミなんかを気にせずに
純粋に描かなければならないという思いに、おなじ
絵を描いている者として羨ましさを感じた。


アウトサイダーアーティストの中には雑誌や広告、
ダンボールなどに絵を描くことによってユニーク
な作風を生み出している作家もおおいように思う。
僕も2ヶ月ほど前から新聞紙に絵を描いているが、
何に絵を描くかという支持体(キャンバスや紙など)
との出会いも大切なんだなぁと思う。
そして今、純粋(ピュア)に絵を描くことの大切さ
を再認識している。