歌川国芳 HEROES, HUMOUR, HORROR | 美術作家 肥沼義幸の制作日記

歌川国芳 HEROES, HUMOUR, HORROR




先日、ライデンのシーボルト・ハウスで開催されている

「歌川国芳 HEROES, HUMOUR, HORROR 」を観てきま

した。大学生の時に初めて国芳の「讃岐院眷属をして

為朝をすくふ図(写真上)」を観たときの衝撃は今でも

忘れることはできません。


この作品が1点展示されていたのですが、同じ空間に

展示されていた他の作品はまったく記憶に残っていま

せん。それだけに、力を持った作品は人の心の中で、

また美術史の中で生き残ることができるが、それ以外

の作品は簡単に淘汰されてしまう事を学んだのです。

以降、国芳の作品が気になって時折画集を見ていました。


実際の作品を目にすると、作品が持つ毒々しさと強烈な

色彩美、特異な想像性に国芳という作家の個性が感じら

れます。江戸時代の作家達はとても個性的だが、自分と

何処かシンパシーを感じるのは国芳である気がする。

また、彫師と摺師の仕事も見事でした。


小さい展示スペースではありましたが、代表作をはじめ

多くの作品が展示されていました。そしてたくさんの

オランダ人も観に来ていました。

今回の展示では前期と後期で展示作品の入れ替えが

あるので、少し時間をおいて後期の展示も観に行こうと

考えています。




                ※ 写真、展覧会図録より