「快楽の園」 ヒエロニムス・ボス | 美術作家 肥沼義幸の制作日記

「快楽の園」 ヒエロニムス・ボス


美術作家 肥沼義幸の制作日記



1450年頃、ベルギーとオランダの国境あたりで生まれた

ヒエロニムス・ボスは現在でも異彩を放つ画家の1人だ。


1年半程前にスペイン、マドリードを訪れた時にプラド美術館

で初めて実物を観たボスの代表作「快楽の園」。

多くの鑑賞者を惹きつけ、ひとたび、その絵を観てしまった

ら、その場からしばらくは離れることはできなくなってしまう

不思議な魅力を持つ傑作。


1作品の画面上の情報量がハンパではない。

このような作品は、絶対に自分では描くことはできないなぁ

と思った。


それから、しばらく時が経ち

コラージュの作品を作り始めた頃に、ふとボスの絵画が

頭をよぎった。


1作品として表現するのではなくて、パーツパーツを分けて

考えてみたらどうだろう、ボスの絵画を分解する。

そして、インスタレーションの展示方法をとったら

どうなるだろうかと思った。


もちろん、500年以上前の画家とは時代背景も作品の

テーマも違う。しかし、なぜかコラージュの作品にはボスの

作品との不思議な共通点のようなものを感じたのだ。


上の作品は47点で1つの作品として展示する事に決め、

ライクスのオープンスタジオ2010で発表した。


現在、この作品シリーズをあと2点制作中。

大まかなビジョンは出来ているのだが・・・どうなるだろう。

これから、長い道のりになりそうだ。