スーパースター
目が覚めてぼーとしながら、スーパースターという存在を
考えていた。
ゴッホ、ムンク、ベーコン・・・画家の名前がちらりと脳裏
に浮かんだが、いまいち自分にとってのリアリティが過去
の巨匠にはなかった。
プロレスラー 武藤敬司。
僕にとってのスーパースターはこの人しかいないと思った。
僕が初めて武藤さんのプロレスの試合をテレビで見たのは
小学生の時だった。その日は雪が降っていたと記憶する。
子供ながらに、この人のプロレスには華があると思った。
周りの状況を把握しながらプロレスを組み立てていく。
スーパースターはそこに居るだけで絵になるのだ。
そしてグレート・ムタという存在を知って、僕の中の何か
が一気に弾けた。「天才」と言われる所以を理解した。
リングの上で、自分をどう見せるか。
それが圧倒的に上手いのだ。エンターテイメント、アートの
世界でもそうだが、自分をどう見せるか?というのは非常
に重要な部分でもある。また、経営が大きく傾いていた
全日本プロレスを社長就任後に短期間で立て直す手腕。
自分の立ち位置を理解し、どうすれば次のステージに
進めるのか。1つ1つ、地に足をつけて必ず前へ。
そんな事を武藤さんから学んでいる。