ピカソ
僕は、多作の画家が好きである。昨年はスペインとフランス
を旅行し、数多くのピカソの作品を観てきた。
ピカソは初期の青の時代、薔薇の時代、キュビズムと画風
をがらりと変えてきた。総括してピカソの作品を見てゆくと、
バラエティに富んでいて面白い。
明日描く絵が一番素晴らしい事。
1つの所にとどまらないで、実験的な痕跡を残す事。
絵を完成させようとは思わない事を教わった。
毎日絵を描く中で、これは絶対に人には見せられない絵
がぽっんと生れてくる時がある。失敗したと気持ちが焦る。
以前の僕はこれはまずいと、すぐに直すか、キャンバスを
木枠から外してこっそり捨ててしまっていたが、こういう時
こそある意味チャンスなのだ。
見せられない絵というのは、今までの経験による自己判断
で絵を観ている可能性があり、時にその絵はこれから先の
未来を作るための新しい可能性を含んでいるかもしれない
からである。
判断するための時間をきちんと作る。
そんな事をピカソから教わった。