パリ旅行 その④ | 美術作家 肥沼義幸の制作日記

パリ旅行 その④

7月18日


昨日、オルセー美術館 に長く滞在してしまい行くことが

できなかったオランジェリー美術館 へ。

やはり、この美術館の一番の目玉はモネの「睡蓮」の

連作。2続きの部屋どちらかで流れているクラシック

音楽はいらないと思いましたが、作品は凄く良かった。

ここから抽象絵画が始まったんだなぁ~と改めて感動

しました。それにしても巨大な画面が非常に上手く

まとまっていて、晩年のほとんど目が見えない状態で

きちんと仕上がっている事には驚きが隠せません。

積み重ねというか、モネの執念が淡く美しい色彩の中

に見え隠れしているようです。

また、画面から感じる「大気」が鑑賞者を絵の中に

引き込んでいます。



美術作家 肥沼義幸の制作日記


  オランジェリー美術館



その後、ケ・ブランリー美術館市立近代美術館

周りました。

近代美術館のデュフィの大作「電気の妖精」も凄いです。

デュフィは自身の絵画を模索している期間に、自分の

利き腕では上手く(テクニックで)描いてしまうことに気が

つき、あえて左手を使って描くようにしたそうです。

実は僕もアムスに来てから、突然デュフィのことを思い

出し、よ~し今日から左手で描いてみようと画面に

向かったのですが、30分後に即諦めました。

その時、初めて利き腕で描ける事のありがたみに気が

ついたのです。今まではデュフィの作品は軽いというか

いまいちグッと来なかったのですが、このエピソードや

実際に絵画を観てみると、即興的にサッと描かれ

人物の線に淡い色彩が重なってくる独特の絵画は

デュフィにしか表現できない事なんだと学びました。



美術作家 肥沼義幸の制作日記

   ケ・ブランリー美術館