キャンバスを黒く塗れ
気がつくともう3月ですね。
2月は本当にあっという間でした。
2月の後半から僕のアムステルダムでの制作スタイル
も変化してきました。
1月は朝からスタジオに入り、夜8時ぐらいまで制作
していたのですが、ここにきて夕方にスタジオに入り
朝方まで制作をするようになりました。
食事は1日1回の食いだめ。日本にいた時は贅沢を
しすぎていたように思います。
ライクス・アカデミーでは24時間いつでもスタジオが
使えるので本当にありがたい。夜のライクスは
とても静かで音楽のボリュームを上げて、コーヒー
を飲んで気分を高めてからキャンバスにむかう。
僕のスタジオには大きい窓が2つあるのですが、
僕のペインティングは採光よりも蛍光灯の光の方が
向いていることは間違いない。
この前、横尾忠則さんのブログ を読んでいて
ピカソの父はピカソに、もし制作に迷いが生じて
どうにもならなくなったら「キャンバスを黒く塗れ」と
言ったそうです。黒は人の哲学的思考を高めるそうだ。
たぶん変化を与えるということなのかなぁ。
僕には哲学的思考とまではいきませんが、
本当にどうしょうもない、このままではこの絵は
死んでしまう、、、という時に頭では考えられない
アクションを起こすようにしています。
それは筆跡であったり、突拍子もない色彩を
思い切ってのせてみたりするのですが、
たいていこういう時に今までとは違ったいい絵が
完成するのではないかと思う。
まるで死んでいたいた人が生き返るような
「圧倒的な驚きと次につながるヒント」が降ってくる
のだ。そして自然にその絵は完成するんだと思う。
敬愛してやまないマーズ・ヴォルタの
オマー・ロドリゲス・オペス氏が「フランシス・ザ・ミュート」
制作後のインタビューにて「ジャムセッションを
繰り返していくうちに突拍子もない変な音が生まれる
時があって、もちろんボツになってしまう時もあるんだ
けれども、それがなんだこの音は!!という今までに
ない感情を与える時がある。それがヒントになるんだ。」
と言っていたのを思い出しました。すべての創作は同じ
ようなプロセスを経ているのかなぁ。
本当に毎日が勉強です。