シミュレーテッドリアリティSimulated reality)とは、現実性(reality)をシミュレートできるとする考え方であり、一般にコンピュータを使ったシミュレーションによって真の現実と区別がつかないレベルでシミュレートすることを指す。シミュレーション内部で生活する意識は、それがシミュレーションであることを知っている場合もあるし、知らない場合もある。最も過激な考え方では、我々自身も実際にシミュレーションの中で生きていると主張する(シミュレーション仮説)。

これは、現在の技術で実現可能なバーチャルリアリティとは異なる概念である。バーチャルリアリティは容易に真の現実と区別でき、参加者はそれを現実と混同することはない。シミュレーテッドリアリティは、それを実現する方式はどうであれ、真の現実と区別できないという点が重要である。

シミュレーテッドリアリティの考え方から、次のような疑問が生じる。

  • 原理的に、我々がシミュレーテッドリアリティの中にいるかどうかを知ることは可能か?
  • シミュレーテッドリアリティと真の現実に何か違いはあるか?
  • 我々がシミュレーテッドリアリティの中に生きていると知った場合、どうすべきか?

目次

 

シミュレーションの種類

ブレイン・マシン・インタフェース

水槽の脳。現実には脳が水槽の中に浸かっているだけだが、機械によりシミュレートされた世界を見て感じているため、脳はその世界の中にいると感じている

ブレイン・マシン・インタフェースによるシミュレーションでは、参加者は外部から入ってきて、脳をシミュレーション用コンピュータに直接接続する。コンピュータは感覚データを彼らに転送し、彼らの欲求を読み取り、それに対する反応を返す。このようにして参加者はシミュレートされた世界と相互作用し、そこからフィードバックを得る。参加者は、仮想の領域の中にあることを忘れるために一時的な調整を受けるかもしれない。シミュレーションの中では、参加者の意識アバターによって表現される。アバターの見た目は参加者の実際の見た目とは全く違う場合もある。

サイバーパンクと呼ばれるジャンルのフィクションには、ブレイン・マシン・インタフェースによるシミュレーテッドリアリティが数多く描かれてきた。

仮想市民型